Belle and Sebastian ''The Life Pursuit''

待ちに待ったベルセバの新作です。
不思議なくらい良くて良くて、もう虜になっています。
バスで聴きまくってます。
スーパーグラスのような前のめり感と、ベックのようなキレのいい立ち回り感を感じます。
ベルセバはやっぱり歌声が素晴らしくて、
曲の雰囲気が今までと変わっても、ああ、何もかも大丈夫って思えます。

'We Are The Sleepyheads'に振り回されながらも、
'Dress Up In You'でため息と共に聴こえ出すスチュアートの歌声や、
'To Be Myself Completely'でピアノに続いてスティビーが歌い始めると、
キーボード越しに観客を見つめながら歌い、首を振りながらギターをかきならす様子が浮かびます。


ライナーには次のように書いてありました。
「同世代のバンドが次々と解散、あるいは活動休止する中、
ベルセバは着実に作品を重ねてきた」(神谷弘一)
他のバンドのことは知りませんが、ベルセバの着実さは嬉しい誤算のようで、
毎回良くて、感情に来るものがあって、感謝(驚)です(こういう使い方でいいですよね)。
曲調がどんなに変わっても、「繊細さ」や「美しさ」を強く感じた初期の作品を忘れることはなく、
その影響を感じながら今の曲達を聴いてしまいます。
それで良く聴こえるのだから、ベルセバを聴いてきたこれまでの人生を肯定するような気分になります。


今までがあって、今がより良く思える。
でも、「今まで」を振り返る自分は「今」の曲を聴いた「今」の影響下の自分だから、
「今」があるから「今まで」を良く思えて、
その「今まで」があるから「今」を良く思うってことでしょうか。
こういうのって、どうでもいい言葉遊びの訳ワカメってことでしょうか。
でも、訳ワカメって素敵なことのはずです。訳ワカメには何かがあります。
ワン・ツー・サ〜ムシットとかを感じます。


それはさておき、このアルバムを聴ける日が僕にも来て、嬉しくて仕方ありません。
熱いカフェラッテ飲んで、安いドーナツ食べて、国道を暴走するバスに乗って、
眼鏡を外して、ベルセバ聴いて、僕の一日は終わります。