サイフォン式とは?

解説を読まずに捨てたので、わかりません。


おそらく、缶コーヒー工場のラインで、一缶サイズの工業サイフォンが待っていて、
かちゃかちゃ装着されながらじっくりコーヒーを抽出しているのでしょう。
そして、カゼインをふりかけ、香料を落とし、ミルクと脱脂粉乳をぶちこんで、
機械によって強烈にシェイクされ、静かに蓋が閉じられるのでしょう。
上下逆さにされ、戯れに賞味期限と工場ナンバーを刻印し、
天井が低い段ボールに立ったまま押し込まれます。
その後、暗いコンテナに乗り、物流の大河を漂っていきます。


ある缶はダイクマへ、ある缶はオレンジマートへ、
またある缶は休憩所の自販機へと辿り着きます。
各地のお店では到着を待ちわびた人々が、待ってましたと奪い合い。
「こっちによこせ!」「俺が先だ〜」。
争う人々の中には、「早く開けなさい!」子供を叱るお母さんも見えます。
店先はてんやわんやの大騒ぎ。今日はお祭りのようです。


…僕はそんな光景を横目に、ごく、と喉をならし、
缶コーヒーを飲み干した。
見上げた太陽がやけに眩しかった。



まあ、本当のことを知りたくなったので、
工場見学に行きたくなりました。